私が双子を授かるまで:5年間の不妊治療の経緯
まず私の話から始めます。不妊治療を本格的に始めたのは結婚3年目でした。最初の2年は人工授精(AIH)を6回試みて、全部うまくいかず。その後、体外受精(IVF)に進みました。
体外受精では採卵を3回、移植を合計5回行いました。1回目・2回目の移植は陰性。3回目は化学流産(着床したけれど継続できなかった)。4回目も陰性。5回目の移植で、ようやく妊娠判定が出ました。
5回目の移植のとき、私は胚盤胞を1個だけ移植していました。それが着床して分裂し、一卵性双胎(1つの受精卵が2人に分かれた)として双子が生まれたというのが、うちのケースです。
「体外受精=双子が多い」というイメージを持っている方もいると思いますが、現在の日本では1個移植が標準的な方針になっています。それでも一定の確率で双子になることがある、というのが現実です。
体外受精で双子になる確率:数字の話
これは私の見解ではなく、あくまで「当時私が調べた情報の理解」として書きます。正確な最新データは必ず医療機関や公的機関の情報を確認してください。
体外受精で双子になるケースには、主に2種類あります。
1つ目は2個以上の胚を移植して、複数が着床する「多胎」。かつては妊娠率を上げるために複数個の胚を移植することが多く、この場合は双子や三つ子になる可能性が上がります。ただし日本では、日本生殖医学会のガイドラインにより現在は原則として胚盤胞(5〜6日目の胚)は1個移植が推奨されています。
2つ目が1個の胚が着床後に分裂する「一卵性双胎」。うちのケースはこれです。1個の胚を移植しても、着床後に胚が2つに分裂することがあります。一卵性双胎の発生率は自然妊娠でも約0.4〜0.5%とされていますが、体外受精の場合はやや高くなるという報告があります(理由は完全には解明されていないようです)。
私の通っていたクリニックの先生に「1個移植でも双子になる可能性は?」と聞いたとき、「ゼロではないが、数%程度です」と言われました。実際にそれが起きた立場からすると、「数%」は十分リアルな数字だなと今は思います。
一卵性と二卵性:双子の種類と育児への影響
「双子」には一卵性(同一の受精卵から2人)と二卵性(2つの別々の受精卵から2人)があります。
一卵性双胎の特徴として:基本的にDNAが同じなので外見がそっくりになることが多い。同性になる(男男 or 女女)。ただし胎盤を共有するタイプ(一絨毛膜性)と共有しないタイプがあり、一絨毛膜性の場合は「双胎間輸血症候群(TTTS)」というリスクがあるため、より厳重な管理が必要です。
二卵性双胎の特徴として:それぞれ独立した遺伝子を持つので、外見が似ても似なくてもどちらもあり得る。男女の組み合わせも起こり得る。
うちは一卵性・一絨毛膜性だったので、妊娠20週ごろからTTTSのリスク管理のために2週間に1回の超音波検査が入りました。最終的にTTTSの発症はなかったものの、妊娠34週から管理入院になりました。これは一絨毛膜性だったことが理由の一つです。
双子妊娠で知っておきたい:管理入院のこと
双子妊娠は、単体妊娠に比べて早産のリスクが高くなります。週数が早いほどリスクが上がるので、多くの場合、妊娠30〜35週ごろに管理入院(安静目的の入院)が勧められます。
私の場合、妊娠34週から入院して、37週0日に帝王切開で出産しました。入院期間は約3週間でした。
管理入院中の生活は正直かなり暇でした(笑)。基本的に安静+定期的なモニタリング(赤ちゃんの心拍確認)で、トイレと短い散歩以外はほぼベッドの上。スマホで双子グッズを調べたり、ブログを読んだり、入院中に双子育児の準備をどうするかを夫とビデオ通話で話し合ったりしていました。
入院前に準備しておいてよかったものは、Wi-Fiルーター・タブレット・Bluetoothイヤホン・圧縮袋に入れた着替えのまとめ、あとは「長期入院に備えた荷物リスト」を事前に考えておくことでした。詳しくは双子育児の必需品リストにもまとめているので参考にしてみてください。
体外受精で双子を授かったことへの気持ち
「双子ですね」と告げられた瞬間、嬉しさと不安が半々でした。
嬉しかったのは、ずっと治療を頑張ってきて、ようやく2人の命が宿ってくれたこと。しかも1回の移植で2人に会える、というのは普通に考えたら奇跡みたいな話だなと思いました。
不安だったのは、双子妊娠のリスクのことをその場でどんどん説明されたから。「一絨毛膜性なのでTTTSのリスクがあります」「早産になる可能性が高いです」「管理入院が必要になることが多いです」──。正直、「2人いる」という喜びよりも「大変なことがたくさんある」という情報量の多さに圧倒されたというのが正直なところです。
でも今、子どもたちが元気に育っているのを見ると、しんどかった不妊治療の5年間も、管理入院の3週間も、帝王切開での出産も、全部この2人に会うためだったんだなと思います。感傷的なことを書くのが得意じゃないけど、それだけは正直な気持ちです。
不妊治療の経緯についてはこのブログを始めた理由の記事にも書いているので、もし興味があればあわせてどうぞ。
「双子です」とわかった日から始めたこと
「双子ですね」と告げられた日の帰り道、頭の中でぐるぐると考えたのは「何を準備すればいいか」でした。うれしいのに、情報がなくて頭が追いつかない。「双子 妊娠 わかった 次に何する」みたいなキーワードで検索しまくっていたのを覚えています。
まず確認したのは、**一絨毛膜性なのか二絨毛膜性なのか**。これが管理入院の頻度やリスクの高さに直結するので、担当医師にその日のうちに聞きました。うちは一絨毛膜性と言われて、「2週間に1回の超音波管理が必要になります」と説明されました。
次に、**双子の分娩ができる病院への転院**。通っていた不妊治療クリニックは分娩対応がなかったため、妊娠初期のうちに「双子に対応した産婦人科」を探す必要がありました。このとき「一絨毛膜性の双子を診られる病院」という条件で絞ると、地元の選択肢がかなり限られることがわかって、受け入れ先を早めにリサーチしてよかったと思っています。
費用面の覚悟も早めに必要でした。不妊治療の費用だけでなく、双子妊娠では管理入院・帝王切開・NICU利用の可能性が加わります。「普通の出産よりかなりかかる」という想定で、高額療養費制度の手続きや出産一時金の二人分受給について夫と一緒に調べました。これは別の記事で詳しく書く予定ですが、準備だけは早めにしておいて損はないです。
体外受精と双子について、よく聞かれること
SNSやリアルの友人から聞かれることをQ&A形式でまとめておきます。これはあくまで私の経験と知識の範囲内の話です。
Q. 体外受精=双子になりやすいって本当?
現在の1個移植の指針が浸透してきたことで、以前よりは多胎率は下がっているようです。それでも一卵性双胎は一定の確率で起こり得るので、「ゼロではない」というのが正直なところかな、と思っています。
Q. 双子になったのは治療院のせい?
一卵性双胎の発生は現時点では完全にはコントロールできない部分があるようです。担当医師に「なぜ双子になったのか」を聞いたら「はっきりした原因はわからない」と言われました。
Q. 双子を「ねらって」体外受精することはできる?
複数個移植をすれば双子になる確率が上がる可能性はありますが、現在の日本のガイドラインでは多胎を避けるために1個移植が推奨されています。意図的に双子を目指すことは、医師側は勧めないのが現状だと思います。